【エルデンリングDLC】王都の城壁ツリーガードについて【考察】

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当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!

↑ゲーム考察チャンネルを始めました。記事をもとにエルデンリングの考察をやっています。

↑動画版なのだ。

オデ、イエティ。
今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます。

お題は『ツリーガード』について。

目次

ツリーガードとは

漂流墓地を出て狭間の大地へ立った褪せ人。広がる壮大なリムグレイヴの景観の中で、ひと際目立つのが迫力のある重騎兵だ。悠然と歩むツリーガードは、しかしゲーム開始時点ではそう容易に倒せる相手ではない。狭間の厳しさを物理的に叩き込んでくる彼らは、黄金樹信仰においてどういう立ち位置なのか。


今回は重騎兵ツリーガードの存在について、掘り下げていく。

画像引用元:エルデンリング公式 様 スクリーンショット

ツリーガードは黄金樹に仕える重騎士である。名前の由来はそのまま、樹を守る者という意味だろう。ツリーガードの兜には「黄金の樹冠はひと際大きく、それが許される者は稀であった」と書かれている。


黄金樹を守る王都の騎士でも選りすぐりの強者のみが、ツリーガードとなることを許されたのだろう。黄金樹信仰において黄金樹を、その姿のまま象るというのは大きな名誉だと考えられる。

ツリーガードの鎧によると、その鎧にはかつての祝福が残っているという。ツリーガードはかなり古い時代から黄金樹の祝福を受け、なおその祝福は褪せていない。

黄金樹の大盾にも「古い守りの祈祷が施されている」とある。それは、黄金樹を守る者たち、すべてが範とする、城壁の盾である。ツリーガードは馬具で自らと馬を固定している。いくらよろめいても落馬しないのはこれが理由だ。ツリーガードは黄金樹のある王都ローデイルの護りの要なのだ。

そのツリーガードがリムグレイヴに配備されている理由は、おそらくは狭間の外からやってきた褪せ人を狩るためだろう。現在の黄金樹を守る王、祝福王モーゴットは褪せ人を狩るために夜の騎兵を各地に派遣したり、あるいは手ずから褪せ人を屠っている。


エルデの王を目指そうとする褪せ人たちはモーゴットにとっては害獣のような存在だ。褪せ人が現れる場所にツリーガードを配置していてもおかしくはないだろう。つまりこのツリーガードの配置は、ゲーム通りの「初見殺し」なのだ。実際、十字に吊り下げられた死体が並んでいる。 

本来のツリーガードの責務は黄金樹そのものと、王都の護りの要である。実際に王都前には二体のツリーガードが関門を固めているのが見られる。ツリーガードは基本的には黄金樹そのものを守っている。

大盾のタリスマンにはその在り方が示されている。守るべきもののために、剣より先にまず盾を構えたのだ。実際、ツリーガードは戦闘において大盾を駆使した技を見せることが多い。武器である黄金のハルバードについている戦技、黄金樹に誓って、も防御力を高める効果を持っている。攻める兵ではなく、あくまで黄金樹を守るための兵士だったということだろう。


こうした在り方を王都ローデイルの騎士たちは範とし、実際に彼らも大盾を構えている。


また、ツリーガードの中には松明を手にした個体も存在する。なぜ武器ではなく松明? と思うかもしれないが、これにはれっきとした理由がある。この歩哨の松明に宿る炎には、特別な祈祷が施されヴェールに隠れた刺客の姿を見出せる。

黄金樹と祝福王は、備えている。
また再び、陰謀の夜が訪れぬように。

陰謀の夜というのはエルデンリングが砕ける前、黄金のゴッドウィンをはじめとしてデミゴッドが次々と消されていった事件のことだ。この実行犯たちは黒き刃の刺客と呼ばれ、身隠しのヴェールを纏って姿を消している。陰謀の夜によって大勢のデミゴッドを亡くした黄金樹は、この黒き刃の刺客に備えている。


ツリーガードの松明はただ夜闇を照らすためのものではなく、雑兵では対応しきれない、黒き刃の刺客という黄金樹の仇敵を見つけるための備えなのだ。祝福王モーゴットは今なお黒き刃に備え、ツリーガードに警戒させているのだろう。

竜のツリーガード

さて、そんな鉄壁を誇るツリーガードにも敗北と挫折の歴史があったとされる。竜のツリーガードというツリーガードの亜種は、それを物語るエネミーだ。

大古竜の襲来は、ローデイルの城壁が破れた歴史上唯一の事例であり、続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった。古竜戦役の勃発である。

最終的に古竜戦役は黄金のゴッドウィンが古竜フォルサクスと友になり、終結した。しかしこれはあくまでデミゴッドである、ゴッドウィンの功績である。城壁が破れたということはつまり、城壁の盾とされたツリーガードが敗北したことを表す。


王都の入り口とファルム・アズラで対敵する竜のツリーガード。彼らが大古竜の襲来、それによる城壁の破れによって生まれたことはテキストに記されている。

大古竜の襲来の後、彼らは悟った。
黄金樹を護り続けたいのなら、
自らが、竜になる他ないのだと。

異形の鎧を着た、竜のツリーガード。その鎧は竜の諸相を散りばめられており、武器は襲来した大古竜の爪を
削って作られたものとなっている。爪には古竜の力である、赤き雷が宿っている。


彼らは城壁を破壊した大古竜へ、怖れと同時に憧れをも抱いたのだろう。諸相というのは坩堝関係のテキストでも見られる、生命のさまざまな姿のことだ。黄金樹信仰の中での諸相は、一時期を境に忌むべきものとされるようになったため、竜の諸相をツリーガードが宿すことがどう捉えられていたのかは謎となっている。

竜のツリーガードが生まれた時代にはまだ坩堝は認められていたのか。あるいは「竜だから」認められた、という可能性はある。古竜戦役後、黄金樹の騎士たちには古竜信仰がもたらされた。さざれ石の聖印のテキストにはこうある。

古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない。
この聖印も雷も、すべて金色なのだから。

古竜信仰が黄金樹への裏切りではないとするなら、竜の諸相を象ることもまた、忌むべきことではなかったのか。
ちなみに実はこの異形シリーズのテキストは、Ver1.0.0ではまったく異なる内容だったようだ。

異形異端のツリーガード、
ナールドの歪な黄金兜/鎧/手甲/足甲。
彼は王都竜信仰の信者であったが、
やがて狂信に至り、黄金の鎧を素手で潰し、
血と共に竜の諸相を散りばめたという。


このテキストによれば本来の竜のツリーガードはツリーガードの亜種というより、「ナールド」という一人のボスのような固有の存在だったのかもしれない。黄金の鎧を素手で潰し、とあるのでナールドは古竜への信仰が高まりすぎた結果、黄金樹信仰を捨てて古竜を信仰するようになった騎士、ということだろうか。


この設定がどうして消えたのかは定かではないが、あえて想像するなら「ツリーガード」なのに黄金樹を守るつもりがないというチグハグさが、設定上ややこしいから、ツリーガードは絶対に黄金樹に仕える者だけと定めたのかもしれない。

竜への畏怖を身にまとい、その力で黄金樹を守る。現在の竜のツリーガードは、一本筋の通った存在と言えるだろう。個人的には闇に消えていったナールド氏の設定も好きだけど。

影の地のツリーガード

さて、最後に影の地のツリーガードについて。本編では王都ローデイル以降は登場しなかったツリーガードが、影の地においてまさかの再登場である。その輝く巨体に懐かしさに沸いた褪せ人も多いのではないだろうか。しかし疑問もあることだろう。2体のツリーガードは、黄金樹なき地で何を守っているのか。


それは彼らが配置された場所と、彼らが持っているアイテムから察せられるようになっている。彼らがいる場所は影の城の、隠された通路の先。隠された地という、巫子の村へと繋がる道だ。この巫子の村は女神マリカの故郷であり、今は誰も住んではいないがマリカにとって重要な場所である。

エルデンリングにおいては稀有なことに、この村は美しいまま残っている。そして、村の中心には小さな幻影の黄金樹が生えている。これはマリカが作った、律のないやさしい黄金だという。この幻影の小黄金樹はマリカが村を黄金で包むために祈祷で形作ったものであり、今は誰もいないとはいえ、故郷の民たちを癒すための意図があるようだ。

二体のツリーガードはこの小黄金樹を守る、「ツリーガード」であると考えられる。この誰もいない村を守るために
ツリーガードを配置しているのは、串刺し公メスメルだろう。

ツリーガードを倒すことで入手できるマリカの祝福によると、それはマリカが手ずから作った霊薬とされる。この霊薬は数少なく、そしてメスメルのために作り出されたものだ。当然その元の持ち主はメスメルだろう。このマリカの祝福はメスメルが兵に与えたもので、メスメルの居城である影の城には一つも残っていない。

メスメルはツリーガードを2体も、母マリカの故郷を守るために配備させた。そこにある小黄金樹が律なきものだったとしても、かつてのマリカの想いをそのままにしておきたかったのではないだろうか。隠された地の2体のツリーガードは、狭間とはまた違う理由で盾を構えているのだろう。

本編においてツリーガードはその役割も虚しく、黄金樹は褪せ人に焼かれてしまう。しかし重要なのは何を守るかではなく、守ろうとする気概である。ツリーガードは冒険の始まり、最序盤からそれを示してくれる。守るべきもののためには、剣より先にまず盾を構えるのだ。


というわけで今回はここまで。おつかれさまでした。

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