【エルデンリングDLC】蕾の聖女ロミナとは何者なのか?【考察】

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当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!

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オデ、イエティ。
今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます。

お題は『蕾の聖女ロミナ』について。

目次

蕾の聖女とは?

影の城を抜けた先にラウフの古遺跡は広がっている。メスメル軍が火をつけていない古代文明の跡地は、角人や腐敗の眷属といった、行く当てを無くした者たちの住処である。

ミケラの十字の導きにより、影の塔を焼くための種火と、その封印を探す褪せ人たち。その前に立ちふさがるのが蕾の聖女ロミナだ。ロミナは美しい女性の上半身に、サソリの尾を付けた巨大なムカデの下半身が生えた異形の姿を持つ。


ストーリー進行上、必ず倒さなければならないボスであるロミナだが、彼女について語る者はいない。今回はロミナがどういった存在なのか、しっかりと掘り下げて考察していく。

まずは蕾の聖女の追憶から見ていこう。

すべてを焼かれた教会で、
ロミナは異形の神性を見出し、禍々しい、朱い腐敗に縋った。
焼け跡に、また蕾が芽吹くように。


ロミナは聖女という二つ名を持つがこの由来は元々、教会にて聖職に就いていたからだろう。もちろんその当時は朱い腐敗は信仰しておらず、異形の姿でもなかった。

画像引用元:エルデンリング公式 様 スクリーンショット

すべてを焼かれた」、この言葉から推測するとやはり関連性が高いのはメスメルの火だ。メスメル軍により角人の街ベルラートが襲撃された、粛清の聖戦。ロミナは角人側の人間であり、この被害者なのだ。

エルデンリング公式のDLCストーリートレイラー(1:15~)を見てほしい。メスメル軍がベルラートを焼き尽くす中で、薙刀のような長物を持った女性が俯いている。シルエットから見ると帽子のようなものを被っており、
その薙刀はロミナの追憶で交換できる「蕾の薙刀」と似たシルエットとなっている。

かつて、焼け落ちようとする教会で
ロミナは茫然と蕾を抱いていた。
いつか、その蕾は刃となった。


この蕾の薙刀のテキストはストーリートレイラーで出てくる、シルエットだけの女性の描写と酷似している。ストーリートレイラーの女性はロミナなのだろう。また、ストーリートレイラーの同一シーンで流れているBGMはロミナ戦のBGMと同じものだ。


ロミナはベルラートの教会の聖女だったが、メスメルの火ですべてを奪われ朱き腐敗の神を見出した。

蕾の薙刀の戦技によると、「かつて、それは聖なる祓いであった」とある。これは薙刀を用いた演舞のような習わしだろうか。おそらくロミナは邪気祓いのような儀式を教会で担当しており、これも角人の文化の一つだったと考えられる。

ちなみにストーリートレイラーの女性がロミナである以上は教会は二つ存在することになる。一つがメスメルの火によって燃えたベルラートの教会で、二つ目がラウフの古遺跡にある小さな教会だ。つまり、ロミナは街の教会が燃えた後でラウフの小さな教会へと移ってきたのだろう。


焼け落ちた教会よりもラウフの教会の方が歴史が古い教会だった可能性が高い。これはラウフの古遺跡の文化は角人の文化よりも古いもの、というのが根拠となっている。


ロミナの二つ名にもある「」は、元々はラウフの教会の象徴だった。本来の蕾は腐敗していなかったため、ラウフ原産の植物として教会の象徴となっていたのだろう。


この蕾は角人の建築に見られる螺旋柱の上にも象られており、角人文化においても重要なモチーフのようだ。螺旋と共に象られているということは、角人文化の根底にある「」の存在と蕾は関係があるのかもしれない。あるいは、蕾の形を螺旋や坩堝に見立てている、という可能性もあるだろう。


ロミナが焼け落ちる教会で抱いていたのは、この蕾だった。つまりロミナにとっては教会とその象徴である蕾は、
何にも代えがたい大事な存在だったのだ。しかし全てを焼かれ失ったロミナは、蕾に異形の神性を見出してしまった。
それが腐敗の神である。

腐敗の神性

異形の神性を見出したケースは他にもあり、外なる神の伝承のタリスマンに描写が存在する。

全てを焼かれ、奪われた民は、貴いはずの先祖の遺体に、その影に異形の神性を見出したという。
その心が、惨く苛まれていたが故に、彼らは、禍々しいそれに縋ったのだ。


こちらでは角人の先祖の遺体である土地神から異形の神性を見出しているが、ロミナと状況はほぼ同じだ。異形の神性を見出してしまう理由は、その心が惨く苛まれていた故。つまり縋る者を求めた時にこそ、異形の神性が現れるのだろう。


外なる神の伝承がある場所は眺望街という場所で、ここには真実の母を信仰する血鬼が集まっている。傷ついた者たちが見出す対象は、腐敗の神だけに限った話ではないということだろう。

ロミナの場合は抱いていた蕾から腐敗の神を見出してしまった。腐敗の神は花と関連のある存在だ。蕾という象徴からその神性へと繋がってしまったのだろう。焼け跡に、また蕾が芽吹くように。ロミナはただ、蕾という教会の象徴を蘇らせたかっただけなのだろう。

腐敗の神というのは本編でも存在が示唆される、外なる神の一つだ。狭間の地下、エインセル河の下流に広がる腐れ湖は、外なる神の一体、その封印の地であったという。であった、という過去形になっているため、封印は解けてしまったのだろうか。

腐敗の神は青衣の踊り子という妖精によって封印されたと伝わっている。

停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく。
常に流れ行き、留まることなかれ。

流水は腐敗を封印する、一つのモチーフだ。腐敗したミケラの聖樹にも流水が見られる。しかし腐敗の神が封じられた湖はすでに腐り果てており、封印が解けたという証左なのかもしれない。


腐敗の神という存在そのものは登場しないため、あくまで推測にはなるが。その目的は律を掲げることだろう。腐敗を信仰する賢者ゴーリー曰く、マレニアが腐敗を宿したのは新しい律を掲げるためであるという。つまり外なる神である腐敗の神は、黄金律に代わって自らの律を掲げるという意思を持っている。

ゴーリーによると腐敗の律は「爛熟輪廻の理」というようだ。爛熟というのは物事が発達しきり、衰えの兆しを見せること。輪廻は命あるものが転生を繰り返すこと。死を無くし、現状維持を続けようとする黄金律とは真逆の律である。


腐敗の神性を生まれつき与えられたマレニアや、あるいは絶望の中に神性を見出したロミナ。彼女たちを腐敗の女神とすべく、腐敗の神は干渉を続けているのかもしれない。


蟲人たちは腐敗の神に見棄てられた眷属だという。彼らは腐敗の神の気配を感じて、蕾の聖女であるロミナに母を見出している。ラウフの蟲人は本編の蟲人とは異なり全身が朱い。これは蕾の教会の影響なのか。あるいは、ゲーム的に考えればムーアの仲間であるNPC、拾い虫たちと見た目で差別化するためかもしれない。

また、角人の土地の固有種である蜘蛛サソリは本来もっと小さなものだったが、蕾の教会の影響によって巨大な個体が生まれるようになっている。


腐敗は虫と関連があり、蟻や蟲人、蜘蛛サソリといった虫に影響を与える。ロミナの下半身がムカデとなったのも腐敗の神の影響なのだろう。しかし腐敗の眷属からすると残念なことだろうが、蕾の聖女ロミナは腐敗の女神とはまだ遠い存在である。

朱きエオニアによれば、朱い花として咲く度に腐敗が進行し、三度目にマレニアは腐敗の女神となったとされる。
一方でロミナは蕾の聖女のため、一度も咲いてはいない。これは、蕾という性質が関係しているのかもしれない。
ラウフの朱い蕾は腐敗し、咲くことのない大きな蕾だ。つまり腐敗しなければ大輪の花に咲いていた、と考えられる。


ロミナは蕾という象徴そのものに対して執着しているため、ロミナが腐敗の花として咲かないのはロミナの在り方が
関係しているとも推測できる。ロミナは咲くことのない花の蕾なのだろう。しかし腐敗の女神の翼に関しては、ロミナはマレニアより一歩進んでいるという描写がある。

エオニアの蝶は古い神話によると腐敗の女神の翼であったという。実際にマレニアの第二形態となると、マレニアは
この翼を現出させる。しかしロミナに関しては大量の蝶を呼び出すという、腐敗の女神の翼を自由に操る様子を見せている。

これはロミナが主なき彼らを慰撫し、心を通じていたからとされる。花として咲くことはないながらも、ロミナも
確かに腐敗の女神に近しい存在なのだ。


さて、考察をまとめよう。かつてベルラートの教会にて聖女として聖なる祓いを執り行っていたロミナ。しかしメスメルの火による粛清で教会は燃え落ち、彼女は全てを失ってしまった。

縋るものを探したロミナは抱いていた蕾に、腐敗の神という異形の神性を見出した。以来、ロミナは異形の姿に変化し、かつての信仰とはかけ離れた腐敗の聖女となった。彼女の姿と同じように、その信仰も元に戻ることはないだろう。蕾は朱く、腐り果てたのだから。

というわけで今回はここまで。おつかれさまでした。またご縁があれば見てやってください。それでは。

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