オデ、イエティ。今日はホグワーツレガシーについて。このゲーム色々と語りたいことがあるんだけどあんまりSSを撮ってなかったのでクリア後に困ってしまっている。なんとなくオデはゲームに没入してるときに変に現実のアレコレを意識したくないのでSSを撮りたがらない。あの「パシィヤァ!」という撮影音で一気に現実に引き戻されるのが嫌なのだ。そう、だから今困っている。撮っとくんだったぁ……。
それはともかく今回はサブキャラクターの一人である「セバスチャン・サロウ」についてのクエストを語ろうと思う。ネタバレあり。
セバスチャン・サロウって?
(セバスチャンのSS、これしかない。かわいそう)
セバスチャン・サロウはスリザリン寮の生徒で主人公がどの寮に所属していてもかなり親切にしてくれる。古代魔法に関連する主人公の秘密を詮索することなく、むしろ庇ってくれる懐の深さを持っている。問題児で皮肉屋ながら情に厚く、優秀なバディとして主人公をサポートしてくれる存在……だった。
セバスチャンには双子の妹のアンがおり、アンは物語開始前にゴブリンから闇の魔術で呪われたことによりホグワーツに通えないほど衰弱してしまう。こうしたアンの症状を治すためにセバスチャンは闇の魔術に答えを求め、みるみるうちに転落していくのだ。
なんてったって主人公が使えるようになる三種の「許されざる呪文」はすべてセバスチャンが教えてくれる。まともな精神状態ならホグワーツに転入してまだ一年も経ってない友達に許されざる呪文は教えないからね。
セバスチャンは物語の後半で完全に闇の魔術の探求に取りつかれ、元々あまり折り合いの良くなかった保護者、ソロモンおじさんと口論の末に決闘となってしまう。この中でセバスチャンはついアバダケダブラをおじさんに向けて放ってしまい、ソロモンおじさんは命を落としてしまうのだ……おじさぁん!
この事を知ったセバスチャンの妹アンは自らのために兄が人殺しをしたという事実を受け入れられなくなり、姿を消してしまう。そして妹を救うためとはいえ人を、しかも自らのおじを殺してしまったセバスチャンを裁くかどうかの決定は主人公の手に委ねられたのだった。って何でここで主人公くんが!?
不運な少年 オミニス・ゴーント
もう少し細かい経緯を書くと主人公以外に今回の件に関わっているのはセバスチャン、アン、ソロモンのセバスチャン一家の他にオミニス・ゴーントという少年もいる。ハンサムなオミニスはセバスチャンの親友であり、サラザール・スリザリンの血筋を引いている。ゴーント家に伝わるスリザリンの知識をセバスチャンが求めたことで、この不運な少年も事態に巻き込まれてしまうのだ。
原作小説で見る限りゴーント家の血を引くキャラクターはどれもこれもろくなやつがいないが、オミニスはかなりまともな性格をしており自らの血を嫌うキャラクターだ。そんなオミニスはセバスチャンが闇の魔術に傾倒していくことに耐えかねて反対の姿勢を取り続けるが、何だかんだと双子の妹を想うセバスチャンの気持ちもわかるのでズルズルと協力してしまい、セバスチャンが転落していくのを直視させられることになる。
事がすべて起こった後で主人公とオミニスは話し合う。セバスチャンのことを学校に知らせて罪を裁いてもらうか、あるいは友人を守るために口を閉ざすか……二つに一つの選択をするのだ。だが、ちょっと待ってほしい。そもそもその選択を委ねる相手がおかしくない?
レベリオの悪魔
(↑ レベリオの悪魔)
ぶっちゃけて言うとセバスチャンが崖から落っこちていったのは8割くらい主人公のせい、というのがオデの考えだ。主人公は闇の魔術に答えを見出そうとするセバスチャンを諫める態度を選択肢中で取ることもできるが、クエストの内容としては最後の選択(セバスチャンを引き渡すか否か)まで主人公の態度でセバスチャンの行動が変わることはない。つまり、何だかんだなあなあでセバスチャンに付き合ってやるのだ。
プレイしたユーザーならわかる通り、主人公の決断力と実行力はちょっとばかしイカれている。魔法を学び始めてたった一年で学年主席に躍り出るほどの溢れんばかりの才能の代わりに倫理観を母親の胎内に落っことしてきているのだ。ランロクの信奉者を見れば殺害するし、密猟者も殺害する。それが世のため人のためだと思っている。クエスト中でもそれは揺るぎなく、やると言ったことはやる。
類まれなる探求力を持つセバスチャンと戦闘力に富んだ主人公。無敵のコンビだからこそ、とんとん拍子で闇に堕ちていったと言えるだろう。闇の魔術の探求のためのピースを集めるのもセバスチャン一人では無理だったはずだ。主人公がホイホイとどこにでもついてきて、気に入らないやつを全てぶちのめすので出来たことが多い。ある意味ではセバスチャンは一つの強力な兵器を手に入れた。悪魔の力だ。
主人公がいなくてもセバスチャンは闇の中でもがいただろうが、最悪の事態にまではならなかったかもしれない。そう考えるとオミニスが主人公に選択を委ねるのも間違いな気がする。こいつが悪くね?
梯子外しが決まったァァ!
そして最終的にうちの主人公くんはセバスチャンを引き渡す決定をした。つまりここまで一緒に赤信号を渡っておきながらいきなり真顔で「いや、良くないよ」と言い出すような行為だ。これにはさすがのセバスチャンもビックリしたかもしれない。これまで一緒に闇の魔術でアンを救うために活動してきたバディがいきなり裏切ったようなものだ。もちろん主人公はソロモンおじさんを殺したことを認めてはいないかもしれないが、それにしたって本人と話し合いもせずに届け出るのだから恐れ入る。
突然の梯子外しが炸裂したことでオデの選んだルートではセバスチャンはアズカバン送りになり、オミニスによる後日談を聞く限りはゴブリンや闇の魔法使いへの憎しみがさらに増したらしい。結局のところアンは救えなかったし、自分はアズカバンの独房入り。何一つ事態は好転しなかったので大元の悪者である闇の魔法使いたちへの恨みが増しても仕方ない……。
セバスチャンを庇わない場合のルートの顛末としてはこんなところだ。なんとも世知辛く、後味の悪い終わり方である。セバスチャンがこれから改心していくという兆しどころかさらに屈折しそうなことがオミニスの言からは分かり、そもそもディメンターでお馴染みのアズカバン入りなので生きて出られるのかもわからない。努力の甲斐はなく双子の妹であるアンは呪いがかかったままだし……一番長いサブクエストの結末としてはあんまりなものである。
さて、長い長いあらすじだったがセバスチャンのクエストはこういうお話だった。ここからは各キャラクター同士の関係について掘り下げたり、オデの視点での感想としてもっと濃くブチ込んでいく。
・セバスチャンよもやま話
→セバスチャン・サロウと怒れるおじさん
サブクエストのクライマックスでセバスチャンの手にかかり死亡したソロモンおじさん。可哀想な被害者ではあるが彼自身に過失がないとはあまり言えない状況であり、この点に関してはセバスチャンを擁護したい者も多いと思う。
ソロモンは闇の魔術を使ってしまった悔いから闇祓いを辞職しており、事故で死んだセバスチャン・アンの両親の代わりに双子の保護者をやっている。しかしセバスチャンたちの両親についての態度はあまり良くなく、呪いを掛けられたアンについては諦めきってしまっている。ソロモンのこうした態度がセバスチャンの反感を生み、最終的に二進も三進もいかなくなったのだから彼自身に問題がないとは言い切れない。
セバスチャンとの口論ではどの時も感情的になっていて、とても双子の妹が呪いに掛けられた少年への態度としては相応しくない。呪いを解こうという姿勢もまったくないし、それは反感を買っても仕方ないだろう。死んだ両親の性格をあてつけがましく口にしたり、保護者としてとても褒められた態度ではない。ソロモン自身にセバスチャンへの思いやりがもう少しあればまた結果は違ったかもしれない。
あとは……ソロモンが死んだ原因となった決闘は主人公&セバスチャンVS亡者VSソロモンという謎の三つ巴になっていて、この状態でソロモンはなぜか亡者ではなくセバスチャンと主人公に向けて魔法をバンバン飛ばしてくる。正気かよ! とりあえず亡者を何とかするところからじゃねえの!?
この時はソロモンおじさんを倒さずに亡者を倒すことが条件だと思っていたけどそんなことはなかった。そんな混戦の後なのでセバスチャンの口が滑って「アバダケダブラ」が出ちゃっても仕方ないかぁ……いや、そんな口の滑り方はしない。セバスチャンが悪い。麻痺せよとかで良かったんじゃないの?
ともかく、ソロモンとセバスチャンの関係性は家族とかそういう垣根を越えて人間レベルで合わなかったとしか思えない。そのくらいに相性の悪い二人だった。でも甥の友達にまでインセンディオを連発してくるのはおかしいでしょう。そういうとこだぞ。
→セバスチャンとアン
アンのSS無いからアロホモラのSSでいい? ダメか。
セバスチャンとアンの双子は呪いが引き裂くまでは理想的な関係だったのだろう。それはオミニスから双子への献身的な態度でも察せられる。活発だった二人だが片割れが呪いに掛けられたことで分かたれ、セバスチャンは病んでしまった。ある種、半身が衰弱して変わっていくのを見せられ続けたことがセバスチャンの怒りに火をつけたのかもしれない。
とはいえ結局なるようにしかならず、アンの呪いは解けず兄は殺人者へ。何とも言えない結末である。アンはソロモンのことをそれなりに大事に思っていたようだし、ソロモンおじさんも呪いで傷ついた姪に優しく接したりはしていたのだろう。セバスチャンにそれを認める余裕がなかっただけで。
余談だがソロモンが死んだときにアンが駆けつけてきて回転しながらインセンディオで亡者を焼き払うシーンは圧巻だった。呪われてるのにとんでもない大魔法である。
→セバスチャンと主人公
SSのバリエーションがないので再度登場。
セバスチャンのサブクエストの完成度の高さは、その構成の妙にあると言っていい。序盤からセバスチャンは皮肉屋ながら主人公に親切で、何をやっても株を上げるキャラクターだった。そんな彼に中盤で呪いを掛けられた妹がいると知らされ、多くの主人公は義憤に駆られるわけだ。ゆるっせねぇ! この男のために戦ってやろう! そういう雄たけびを上げるわけ。しかしそこからセバスチャンは転落していく。
セバスチャンは相当に株を上げた状態からどんどん落ちていくので、彼と一緒に堕ちるところまで堕ちていこうというルートに進むのもあながちおかしくない。流石に付き合いきれねーよ、と梯子を外すのも間違っちゃいない。オデは選ばなかったもののセバスチャンを親友として選ぶ昏い喜びが分かるのは確かだ。堕ちていく男はカッコいいからな!
しかしこいつ……優秀すぎである。サラザール・スリザリンの書斎から知識を得て闇の遺物の使い方を覚え、許されざる呪文を会得しており……主人公ほどではないにしろやけくそに優秀なキャラなのだ。ぶっちゃけメインストーリーで守護者の肖像画たちが「試練が~」「心構えが~」とかちんたら言っているうちにセバスチャンはスリザリンの知識を継承し、亡者の軍団を作り出せるところまでいっていた。
オデのキャラはスリザリン寮だ。セバスチャンのことも好きだし、彼を選んで闇に堕ちるのも納得感があってよかったと思う。しかし最終的に梯子を外したのはオミニスのためだ。このサブシナリオの最後の鍵がオミニス・ゴーントだった。
→主人公とオミニス
オミニスの行動と言動は非常に一貫している。双子が大事だが闇に堕ちてほしくはない。そのためにセバスチャンの新たな友である主人公には手綱を握っていてほしい。色んな人物がむちゃくちゃになって破滅したこのシナリオにおいて、迷いながらも意志を貫き通しているのがオミニスだ。
殺人者となったセバスチャンを取ることはオミニスの顔に泥を塗るのと同じだとオデは感じた。オデはこのオミニスを友人と呼びたいがためにセバスチャンをアズカバン送りにする決定を下したのだ。
オミニスはずっと双子を失うことを案じ続け、最終的には本当に失う結果になった。彼自身は何一つ悪いことをしてないのに(強いて言うならスリザリンの書斎についてセバスチャンに話したことだがこれを責めるのはあまりに酷だ)あんまりな仕打ちである。そんなオミニスが主人公が学校に来てくれたことが唯一の救いだと言い、これからの困難に立ち向かおうと言ってくれる。健気すぎる。本当にゴーント?
オミニスからこんな心温まる言葉を掛けられるほどの働きを主人公はしたか? と聞かれればオデはNOと答えると思う。むしろ「中途半端に手を貸してセバスチャンを暴走させたのはお前だ」「お前がこの学校に来てからろくなことがない」「僕の近くでレベリオを掛けながら走るのはやめてくれ」そう言われてもおかしくはなかった。しかし、それでもオミニスはこう言ってくれたのだ。
これはセバスチャンに関するサブクエストでありながら、オミニスの物語でもあった。オデはそう思う。だからセバスチャンにとっては突然の梯子外しでもオミニスを救うために必要だった。そうして結んだ友誼がこのクエストでたった一つ残った報酬だと思う。
……余談だけど最優秀寮決定のときにオミニスが来てくれなくてやや悲しかった。まあオミニスは目が悪いし、セバスチャンの事があったのに笑顔でこちらにHUGしにきたらちょっと面食らってしまうところだが。おかげでイメルダしかネームドキャラが祝いに来なかったのでまんまとイメルダが好きになっちゃった。可愛くない? イメルダ。他の寮ならもっと賑やかなのかな……。