【エルデンリングDLC】亀【考察】

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当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!

↑ゲーム考察チャンネルを始めました。記事をもとにエルデンリングの考察をやっています。

↑動画版なのだ!

オデ、イエティ。
今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます。

お題は『亀』について。

目次

亀とは

狭間と影の地で謎の存在感を放つ動物、亀。ノソノソと歩き、何か攻撃を受けると首を引っ込めて丸まる。見境なく攻撃してくるエネミーが多い狭間・影の地において数少ない、癒しをもたらす野生動物である。

また、有名なネットミームとなっているメッセージ、「おそらく犬」も亀を指している。今回は亀について掘り下げていく。

まず象徴や素材についての亀から語っていこう。亀は、滋養のある食材として知られ、尽きぬ力の象徴とされた。
エルデンリングにおいての亀は、尽きぬ力の象徴。

ゲーム的に言えばスタミナ回復の象徴だ。亀は緑色で、スタミナゲージも緑色。スタミナ系のアイテムも大体、緑色で統一されている。HPが赤、FPが青、スタミナが緑。わかりやすい。亀に関連するアイテムは全てスタミナ回復速度に
関係した効果を持っている。

亀を撃破することで入手できる亀の首肉は、加工して食べ物にすることが可能だ。

長く立派な亀の首肉。
その滋養は、やがて沸々と尽きぬ力を沸き立たせる。

現実世界においてもスッポンには滋養強壮の効果があるというが、エルデンリングでもそれは同じ。狭間の南方では滋養のある食材として知られているらしい。狭間の南方が具体的にどこを指すかはわからないが、リムグレイブの啜り泣きの半島辺りだろうか。

啜り泣きの半島には大亀の甲羅が落ちているため、同じ文化のアイテムだと考えられる。

亀の首肉の旧テキストには、かなり直截的な表現が見られる。

亀は精力を高めるというが、
狭間の地ではもう、誰も興味を示さない。
産むことを忘れて久しいのだ。


とある。これは食材としての亀の効能、精力増強についてを語るテキストだ。ボツになったテキストなので考察に
含めていいのかは個々人の考えによると思うが、世界観を語るうえでは非常に重要な情報である。


興味を示さない、とあるので人々は生殖能力そのものを無くしたわけではないのだろう。黄金律において人々は死ぬことがない。そのため、生物としての生殖欲求を失ったと考えられる。

実際に本編では子どものキャラクターを見ることはない。せいぜい、永遠に成長しない特徴を持つミケラと、
人ではない壺人くらいだ。純粋な人で、かつ子どものキャラクターは見かけない。

ちなみに褪せ人たちは狭間の外で子孫を残している。プレイヤーの褪せ人やネフェリなどがその子孫の一人だ。マリカが王となるを託したのは褪せ人なので、やはり黄金律による死の封印は間違いだった、と言えるかもしれない。


ともかく。亀には様々な効能があったが、現在はスタミナ回復。つまり滋養強壮のみが求められているようだ。
しかし滋養のために亀を狩ることに賛同する者ばかりではない。亀のタリスマンにはこう書かれている。

けれど、亀を賢獣と呼ぶ者たちには、
それは蛮習と映ったという。

亀を賢獣として尊ぶ人々も存在し、亀の狩猟には反対していたことがわかる。
幾つかの魔術師塔のギミックでは、「賢獣」たる亀を探し出すことが求められる。つまり魔術師たちは亀を賢獣として敬っていた。


結びの教会のミリエルというNPCは、巨大な大亀の姿をしている。全くその背景が明かされていないため
ミリエルがどういう存在かは不明だが、ミリエルはまさに賢獣たる亀を体現している。魔術と、様々な祈祷。そして歴史について褪せ人に教授してくれるミリエルは、非常に高い知能を持っている。


ミリエルと出会う結びの教会には由来がある。かつて黄金樹とカーリア王家は争っていたが、二つの王家は和睦を結んだ。その契りを結んだのが結びの教会だ。そしてミリエルはそこを任されている。ということは、ミリエルはカーリア王家の関係者なのだろう。亀を賢獣として見る文化は、魔術師と関係が深いのだ。

影の地の亀

さて、次は影の地の亀について。影の地には双頭亀のタリスマンという、頭が二つある亀のモチーフが存在する。
これは絡み合う首が螺旋に似ることから塔の地で好まれる題材とされ、角人の中で好まれている象徴のようだ。
ただし生物としては双頭の亀は見られないため、あくまで架空の生物でしかないのかもしれない。

影の地には固有種の亀が存在する。狭間の亀とは色や毛などの違いがあるが、一番大きな特徴は混じり角だ。影の地の亀の頭には混じり角が生えている。これは影の地でよく見られる、坩堝の諸相だ。


とはいえ、赤熊などとは違い、角が生えているからといって狂暴というわけではなく、あくまで亀は亀。温厚な野生動物である。


また、ミケラを追う仲間たちの一人、ムーアの仲間である拾い虫は亀を独自の製法で調理している。美味しくはなさそう。賢獣として敬われているわけではないのなら、影の地においては亀は食材の一つでしかないのかもしれない。


影の地には有名な亀スポットがあり、なぜか霊チンアナゴに囲まれている。霊チンアナゴはプレイヤーのスタミナを奪う攻撃を行ってくる。このゲームにおいてスタミナを削る攻撃は珍しい。霊チンアナゴは亀からその尽きぬというスタミナを吸うために囲っているのかもしれない。


さて、最後にエルデンリングで有名なミームである「おそらく犬」について触れておく。

おそらく犬

エルデンリングでは様々な野生動物の周りに、「おそらく犬」というメッセージが残されている。これは四足の動物を犬と見立てたジョーク……と思いがちだが、実はれっきとした由来があるという。

Thorsten SchulzeさんによるPixabayからの画像


現実世界において犬が人類の友であるのに対し、エルデンリングにおいての犬はかなり狂暴だ。実際、犬や狼といったモンスターはほぼ全て敵対エネミーだ。なので我々にとっての本当の友である「」はこの亀なんだよ、という意味合いのメッセージとして残されたのが、「おそらく犬」とされている。


また、全く逆の意図のメッセージとして残されている場合もあるようだ。まったく無害な動物の周りに危険な「犬」であると示すメッセージを残すことで、褪せ人に無意味な警戒をさせるという、いたずらメッセージとしての側面もあるという。

そしてミームが発展してからは、「おそらく犬」のメッセージを野生動物の前に残すことで、メッセージを評価されることで受けられる、回復の恩恵を狙えるようになった。「おそらく犬」を安定した回復を受けられる、魔法のメッセージとして使った褪せ人もいることだろう。

「おそらく犬」のメッセージはもうミームとしては省略されはじめており、「犬!」、「犬万歳!」、「やはり犬」で通じるくらいには「おそらく犬」ミームは醸成されている。これほど短く、これほどまでに意味を含んだメッセージは他にはあまりないはずだ。


「おそらく犬」の正確なルーツは、亀が敵対生物ではないことを示すメッセージか、あるいは亀が敵対生物であるという嘘をつく、いたずらメッセージのどちらか。あるいは両方だろう。

しかし遡ればエルデンリング以前の、ソウルシリーズにその起源があることも考えられる。……深淵に手を突っ込むような空恐ろしい感覚もするので、「おそらく犬」について調べるのはこの辺りにしておく。


少なくとも現在の「おそらく犬」は、日本ではひとつの「矛盾塊」ミームとして定着しているように見える。今後も様々な動物が「犬」とされ、面白みのあるメッセージとして褪せ人の旅を彩るのだろう。


そんな移り変わりの中でも、本来のミームの源泉。尽きぬ力、そして賢獣の象徴たる亀を忘れないでほしい。
というわけで、今回はここまで。おつかれさまなのだ。

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