【エルデンリングDLC】死の鳥・死儀礼の鳥とは【考察】

  • URLをコピーしました!

※アフィリエイト広告を利用しています

当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!

↑ゲーム考察チャンネルを始めました。記事をもとにエルデンリングの考察をやっています。

オデ、イエティ! 今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます!

お題は『死の鳥』について!

目次

死の鳥・死儀礼の鳥とは

狭間の地では最序盤のリムグレイブから巨人たちの山嶺に至るまで、様々なところに登場する死の鳥、あるいはその強化個体である死儀礼の鳥というボスエネミー。聖律のような死に生きる者たちへのダメージ特効を付けない場合、非常に強敵として立ちふさがるこれらの鳥は、しかし狭間の地では多くを語られていない。

今回はこの死の鳥・死儀礼の鳥というエネミーが一体どういう存在なのか。そして、なぜこれらのエネミーを模したゴーレムが影の地には存在するのか。様々なテキストから考察していく。

まず、大前提として死の鳥に連なる存在は「外なる神の使い」、つまり黄金律と相容れない勢力である。双鳥のカイトシールドによると、死の鳥たちの母はこのシールドに描かれた「双鳥」である。

死の鳥・死儀礼の鳥が本来黄金樹に認められていない「死属性」「炎(霊炎)」の攻撃を放つことも、死の鳥たちが黄金樹に連なる存在でないことを表している。では死の鳥たちは何を目的として存在しているのか。

爆ぜる霊炎によれば「まだ黄金樹無き頃、死は霊炎に焼かれた」とある。泥濘の塊にも同じように「古い時代、死は霊炎に焼かれた」と記されている。

霊炎に焼かれることは黄金樹のない時代の死の形だった。そして、死の鳥たちはその霊炎の火守りをしている。

ではなぜ黄金樹時代以降は霊炎による死がもたらされなくなったのか。それは黄金樹とともに生まれた黄金律が定められたからである。黄金律で運命の死のルーンが封じられたことによって「」がなくなり、人々はその終わりを霊炎で焼かれることがなくなった。死の鳥たちの仕事は失われていったのである。

その代わりに黄金樹を信仰する民たちは黄金樹の根がある地下墓地に向かってそこで眠ることになる。この行いは「還樹」と呼ばれた。

…正しい死とは、すなわち、黄金樹に還ることなり 待ちなさい。根が貴方を呼ぶ、そのときまで…
嵐の麓の地下墓の霊体

黄金樹の民たちは黄金樹の根に呼ばれ、地下墓地に生えた根の先に体を預けて眠る。そうして黄金樹へと還ってゆく。それが正しい死の在り様なのだ。

黄金律の定めた還樹に反する死の形は当然、狭間の地を支配する黄金樹にとっては認められるものではない。その証として、死の鳥が邪神として象られた生贄の斧という武器が存在する。巨大な嘴をこれでもかと広げた恐ろしい顔は、死の鳥とその霊炎による葬送を邪教であると広めるためにデザインされたのかもしれない。

黄金樹信仰にとって、霊炎に焼かれる死は間違った死である。

古き死の形

古い時代には墓所に死体を焼く「」があったのだろう。死の鳥たちはその炉で遺体を焼き、燃えがらをこの死かき棒で掻き出した。死の鳥たちが持っている死かき棒はその道具であり、実際に褪せ人に対して棒を突き出し、掻き出すような攻撃モーションが存在する。

遺体が炉の中に入れられ、霊炎で焼かれる。そして死かき棒によって「燃えがら」「燃え滓」を掻き出す。それが死の鳥の仕事だ。ちなみに燃えがらと燃え滓はほぼ同義語である。もしかしたら差別化していてそれぞれ別のモノを示している可能性があるが、ややこしくなるのでここでは同じ意味として扱う。

掻き出した燃え滓は遺体に宿っていた霊魂のこと。燃え滓というのはいわゆる灰のことであり、褪せ人が召喚する「遺灰」もこうしたかつての霊魂が宿った灰なのだろう。

霊火のトーチによると地下河を探索するために派遣された落ちる鷹の兵団は、火種を失くしたことで仲間の骨を燃やした。そして冷たい霊火を手に入れたという。この霊火は霊炎のことであり、骨を燃やすことで生じるのだという。これは死の鳥が行う霊炎による火葬と同じ原理で生じている。

霊火を生じさせるのに必要なのが遺体の骨だけで良いなら、その死肉は死の鳥のエサとなっているのかもしれない。それを示すように死の鳥は啄むような攻撃を行ってくる。

死儀礼とは

死儀礼の鳥は死の鳥の強化個体であり、霊炎を扱ってくる強力なエネミーとなっている。では死の鳥と死儀礼の鳥には存在としてどういった違いがあるのだろうか。

死儀礼の鳥の翼を見ればわかるが、翼の中には大量の魂が「死儀礼の槍」を抱いた状態で浮遊している。この怨霊たちは羽として射出され、追尾して攻撃してくる。つまりただ浮いているだけではなく意思を持った存在なのだ。

この羽の中に入っている人たちは古代の祭司であり、自ら望んで死の鳥の守護者となった。そして守護者たちは怨霊として宿ることで死の鳥を守っている。槍の先に七支刀を付けた特異な武器、死儀礼の槍は死の鳥の羽に列することを許された儀式の槍とされている。祭祀たちは死の鳥の守護者となり、その代わりに遠い再誕を契約している。

わかりやすくまとめよう。死の鳥は守護者たちをいつか再誕させ、守護者たちはそれまで死の鳥を守っている。これは死儀礼の鳥とその守護者たちの一つの共生関係ということになる。

この再誕というのは狭間の各地を歩いている「歩く霊廟」とも関係している。歩く霊廟は死んだデミゴッドを祀っており、いずれその死んだデミゴッドを再誕させるために霊廟兵は自ら命を絶って儀式を行う。

自らの首を斬り落とし、死の鳥に由来する羽飾りを身に着けることによって殉死した後も霊として歩く霊廟に留まり続ける。そうして呪われた存在として歩く霊廟を守り続け、やがてはデミゴッドの再誕を待つ。この儀式は死儀礼から着想を得て始まったものなのだろう。

伝説の遺灰のひとつ、首なし騎士、ルーテルによるとルーテルが守り続けた魂無きデミゴッドは確かに再誕したようだ。つまり死儀礼とそれを模した歩く霊廟の儀式の効果は確かなものであり、死儀礼の鳥たちは再誕の力を確かに持っているようである。

死の鳥と角人の信仰

舞台が狭間の地から影の地へと移ると、狭間の地では見られなかった死の鳥にまつわる信仰が顔を見せるようになる。影の地の始まり、墓地平原には死の鳥のゴーレム、そしてその像が配置されている。

この墓守鳥のゴーレムはあらゆるところで立ちはだかって来るエネミーなので見かけない褪せ人はいないだろう。墓守鳥は高位になると翼に刻印された輪を光らせ、霊光輪を放ってくる。またトリーナ仕様の墓守鳥(睡眠)も存在する。

この墓守鳥は霊墓の番人であり、古いゴーレムとされる。石の翼で空を飛び、吐くのは霊炎のブレス。死の鳥・死儀礼の鳥の眷属として作られたこのゴーレムはかつての古い死への信仰の形である。狭間の地では忌避される存在の死の鳥たちも、影の地では信仰の対象の一つなのだ。

ちなみに死の鳥は見境なく攻撃するので墓守鳥のゴーレムも破壊される。死の鳥の眷属として作られた墓守鳥のゴーレムとしては、ちょっと切ない終わり方だと言えなくもない。

影の地のあちこちで見つかる防具、「墓守鳥シリーズ」は防具であるため当然、人が着るために作られている。この防具の一部はエニル・イリムに置いてあるため、この防具やゴーレムは角人たちが作り出したことになる。では角人たちはなぜ、死の鳥を信仰していたのだろうか。

まず角人は「」を神聖視している。角は生命の根源である坩堝の諸相を表すしるしであり、その中でも特に芽生えを繰り返すことで生まれる混じり角は特に格の高いものとされている。

この角の芽生えに関する信仰は祖霊の民にも通じている。角人と祖霊の民は同じように角の芽生えを信仰する。そして祖霊の芽生えは死から芽吹いた命とされる。祖霊の民と角人では文化などに大きな差があるが、混じり角の信仰においては共通している。

祖霊信仰の霊祀の武器、翼の大角。この武器は祖霊の王の追憶によって交換できるが、祖霊の王そのものではなく、祖霊信仰における御使いの翼を象っている。翼の形からこの御使いは死の鳥たちのことであることがわかる。

芽吹かない生命を刈り取るのは死の鳥の役割であり、芽吹きが繰り返すことを待っている祖霊信仰において芽吹きが生じない命を刈り取ってくれる死の鳥は、祖霊そのものではないものの信仰の対象だったのだろう。

角人と祖霊の民の信仰が似通っていることを考えれば、角人が死の鳥を信仰している理由も自ずと見えてくる。角人は輪廻を待っており黄金樹とは違って霊炎による死を受け入れている。だから死の鳥の眷属として墓守鳥のゴーレムを作り、霊墓の番人としているのだ。

また個人的には角の戦士の武器である角の戦士の曲剣、角の戦士の大曲剣と死儀礼に繋がりを感じている。

タリスマン「赤羽の七支刀」「青羽の七支刀」によれば七支刀は古代の死儀礼のモチーフである。死儀礼の槍も先が七支刀になっている。

七支刀は現実の歴史上、その形状から武器ではなく祭事や儀式に用いられた儀刀あるいは呪刀だと考えられている。死儀礼の槍の先が七支刀なのは儀式のため。では、なぜこういう先が枝分かれした形状なのか。

古代の祭司たちはそれぞれ死儀礼の鳥の羽に宿っている。鳥の羽に宿る儀式が死儀礼であり、そのために七支刀をモチーフとしている。つまり、この七支刀の枝刃は「死の鳥の羽」を表している。七支刀の枝刃の一つ一つに古代の祭司の魂が宿っている。

祖霊信仰の武器である翼の大角は死の鳥の翼を模した、巨大な角の塊である。つまりこの翼の風切部分は死の鳥の羽であり、同時にすべてが角となっている。

角の戦士の武器は刀身に混じり角が象られ、角降ろしの触媒となる。角降ろしは芽吹いた角を現出させ、敵を攻撃する秘術だ。つまりこの刀身の混じり角一つ一つに角を芽吹かせている。これは死儀礼における七支刀の枝刃にも似た発想だと個人的には思う。

死儀礼を見た角人がそこから着想を得て角降ろしの武器を作ったとまでは言わないが、同じ芽吹きを宿すものとして死儀礼の槍と角人の曲剣が似たモチーフの武器となっているのは間違いないと思う。

というわけで今回はここまで。死の鳥についての考察はここまでですが、改めて歩く霊廟などについての考察もしていきたいですね。では、おつかれさまでした。

  • URLをコピーしました!
目次