オデはイエティ。今回は『学園アイドルマスター』で篠澤広というボディスラ系アイドルをプロデュースした話をします。
前回はサイレントをプロデュースしたらこれ藤田ことねじゃねえか! と驚いたという記事を書きました。学マスにおけるロジック:好印象ビルドがSlay the Spire(以下スレスパ)というゲームにおける毒ビルドと非常によく似た動きをしていて驚いたという内容ですね。
その時は学マスにおいての毒ビルドの印象が強すぎたので慌てて記事を書いたんですが、あれから色々なキャラをプロデュースした結果、毒ビルドよりもさらにスレスパらしいビルドが見つかったので今回はその話をしようと思います。
プロデュースするアイドルは篠澤広です。よろしくお願いします。
当記事では『学園アイドルマスター』の一部メインストーリー・サポートコミュのSSが使用されています。
ネタバレになる場合があるのでご注意ください!
また何故か記事の〆としてハイパーインフレーションの画像を引用しているのでハイパーインフレーションのネタバレにも注意し、先に全巻購入することをオススメします。
スレスパにおける【ボディスラム型ビルド】とは?
まず今回の記事の主題である【ボディスラム型】というスレスパのビルドについて簡単に解説します。
スレスパはターン制のカードバトルとなっているのですが、敵の次の行動が明記されるようになっています。攻撃を仕掛けてくる場合は敵の頭上に「攻撃のパターン」「ダメージ」などの情報が表記されるんですね。
そして当然ながら何もせずにターンを終了してしまうと次の相手の行動でダメージを受けてしまうので、プレイヤー側はその攻撃を防御するために「ブロックカード」というカードを使用します。
ブロックカードは使用するキャラごとに様々なものがありますが、基本的に一度得たブロックはターン終了ごとに消えてしまいます。そしてカードとしての「コスト」を払う必要があるので、ブロックカードにコストを割きすぎると攻撃がおろそかになってしまう。ここで駆け引きが生じるということですね。
しかしスレスパには積み上げたブロックをダメージに変えて出力する効果を持つカードが存在します。それがこのボディスラム(使用キャラ:アイアンクラッド)というカードです。スレスパにおいてはレアリティが低く、割りと入手しやすいカードです。このカードをうまく活用することで防御を固めたターンにその防御力を用いて相手にダメージを与えるという特殊な立ち回りができます。まさに攻防一体という言葉に相応しい効果のカードとなっていますね。
このカードを主軸としたビルドのことをスレスパでは【ボディスラム型】と呼んでいます。この戦法やその類型について掘り下げればもっと語れるのですが……この記事の主役は篠澤広だし、この記事で取り扱うゲームは学マスなのでこの辺りにしておきます。
では次に学マスの【ロジック:やる気】の戦法について軽くおさらいしていきます。
学マスにおける【ロジック:やる気】とは?
ロジック:やる気
やる気が1増加するごとに、元気の増加量を1増加
【ロジック:やる気】はやる気・元気をメインに活用するタイプです。まずはやる気を上げることで元気の増加量を稼ぎ、それから元気の量(あるいはやる気の量)を参照するスキルカードを使用して大きなスコアを出していくことになります。
……ここまで見たら大体わかるかと思いますが「元気(ブロック)を積む→ダメージに変換する」という流れを勝ち筋にすることからこのロジック:やる気のビルドはほぼ【ボディスラム型】と同じなんです。好印象=毒よりもさらにわかりやすいかもしれませんね。
とはいえこのビルドには明確な弱点があります。スレスパの場合は敵を倒すまで戦闘が継続するという点から多少グダっても問題ないのですが、学マスではレッスン/試験にタイムリミットがあります。そのタイムリミットまでに「やる気」「元気」をしっかりと積んで、それから各種ステータスを参照する【ボディプレス】が適切なタイミングで放てなければ意味がないのです。
簡単に元気を稼げる分、安定すると見せかけて実はかなり難しいこのロジック:やる気ビルド。からぶったボディプレスの勢いのままに地面に激突し、死する可能性すらある危険な戦法ですが何より危険なのはこれを基本戦術とする篠澤広というアイドルそのものです。
篠澤広というアイドル
篠澤広は学マスが正式リリースされる前にその細さから「拒食症アイドル」などとSNSで話題になったキャラクターです。実際は食が細く体重が付きにくいだけで拒食症ではないようですがその華奢なビジュアルが目を惹き、つい隣にライザとかを置かれてしまう系のアイドルとなっています。
公式サイトの説明には書かれていませんが見た目の印象通りに虚弱であり、アイドルができる体ではないと作中で自他ともに認められているのが篠澤広というアイドル。生きているだけで辛く、片足立ちで10秒も立っていられないこの子ですが、現状実装されているプロデュースカードでは全てロジック:やる気が基本戦術になっています。
ここで記事タイトルを回収させてもらいますが、その体でボディスラムは無理があるだろ。内臓もたぶん何個かなさそうだし。でもこの見た目でピアスが付いてるのが好きですね。いずれピアス穴を開けるに至った経緯について言及するサポートSSRカードとかが出たら課金して引く人がずんどこ現れると思うのでよろしくお願いします。
では実際に篠澤広をプロデュースする中でいくつか気づいたことやままならなさを紹介していこうと思います。ちなみにまだ三回くらいしかプロデュースしてないので間違っている点もあるかもしれませんが気にしないでください。些末なことです。
やっぱり無理があったし、無理があるからこそ面白い
このロジック:やる気の戦法は一言で言えば超簡単。序盤にやる気を溜め、中盤から元気を溜め、最終的には溜まったやる気・元気を参照してパラメータを出すスキルカードを撃つだけ。
決まればロマン砲で一発逆転が出来ます。が、当然ながら溜まったやる気や元気を参照するカードが後半に引けなければ空ぶりで終わってしまうんですね。そしてそうしたカードをデッキに加えられるかどうかはスレスパライクな学マスでは保証がなく、運に左右されることとなります。これは想定していたよりもずっと難しい。
何よりも序盤、カードが少ない時のレッスン成功率が低い! 何をやってもそれなりにレッスンをクリアできる他のスタイル(好調/集中/好印象など)とは一線を画しています。何もできずにレッスンが失敗となって唖然としたプロデューサーはオデ以外にもきっといることでしょう。上級者向けの戦法というのは伊達ではない。
とにかくヒヤヒヤさせてくれる、それがロジック:やる気です。遊んでいて気付いたこととして、戦法としてはスレスパの【ボディスラム型】と似ているのですが目指していることは違うんですよね。スレスパのボディスラムは「守りながら攻める」ためのカードであるのに対し、学マスのロジック:やる気は「デカい花火を上げる」ための戦法なんですね。これはやってみなきゃ分からない事だったなあ。
また当記事でここまで触れてこなかったことですが篠澤広と同じロジック:やる気の使用者として倉本千奈さんがいます。この二人はストーリー中でアイドルとしての落ちこぼれ仲間なんですね。ストーリー的にもこの二人のプロデュースが苦難の道であることは合っているし、だからこそロマン砲が成功した時に大きなカタルシスが得られる。
学マスのよく出来ている部分の一つだと思います。この二人がシンプルに好調/集中/好印象などのキャラの下位互換、みたいな性能だったらどう足掻いたってプロデュースしていて面白くないですからね。最後のワンチャンスで輝けるから難しくてもやってみようと思える、良い塩梅だと感じています。
ゲームの難しい点、ともあればストレスになる点をゲームのストーリーや演出に昇華するというのは思うよりずっと困難なことです。それをガチャのあるスマホゲーで行った学マスのことにオデは深く感服しました。
というわけで、
篠澤広というアイドルに【ボディスラム】をさせるのは無理があるが、無理があるからこそ面白い
というのがこの記事の結論です。また一つ学マスが好きになったところで今回はこのくらいにしておこうと思います。
余談ですが親愛度6の段階までしか読んでいない現状ではあるものの、篠澤広はちまたで言われているような「ドM」ではないとオデは思っています。どちらかと言うとこれまでの人生から「マイナスから何かを積み上げる」ことにこそモチベーションを感じ、さらに他人への理解・共感性が薄いことから相手のモチベーションも自分と近しいものだと考えている節があると思います。「ドM」ではなくむしろ無自覚な「ドS」に成り得るのではないでしょうか。
ドMとかじゃなくてどちらかと言うとこういうメンタリティだと思います、篠澤広。でもまだ親愛度6の段階なのでこの先は自分の目で確かめていこうと思います。では、お疲れさまでした。ゲーミングイエティでした。当ブログは月村手毬を応援したいのですが、素直に応援したくないから藤田ことねを応援しています。